世界で伍して戦う
コマーシャルビジネス業務部 グローバル・ビジネスグループ
2004年入社
野田 健介
これまでの経歴
高松での自動車営業からスタート
ニーズをとらえた企画提案で実績をつくる
世界中に拠点を抱えるグローバル企業を支え、事業成長に貢献する損保ジャパンのコマーシャルビジネス業務部グローバル・ビジネスグループ。そのなかで、保険の引受判断を担うアンダーライターとして活躍するのが野田健介だ。全世界を対象とする保険プログラムの組成と引受判断を行う、まさに司令塔。世界を股にかけ、グローバルフィールドを駆け抜ける挑戦者は、どんなキャリアを歩んできたのだろうか。
「入社して最初に配属されたのは四国の高松支店自動車営業課でした。社会人としての基礎を学び、目の前の仕事を全うすることで精一杯。具体的なビジョンはまだありませんでしたが、いつの日か子ども時代に過ごしたニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコでの経験と英語力を活かしたいと考えていました」。
新人時代から裁量を与えられ、企業に企画提案を行うことで実績をつくっていった。
「地方営業の魅力の一つに、若手でも最初から本社担当になったり、社長や役員に直接提案できたりする機会が多いことが挙げられます。今振り返ると、この経験が自身を大きく成長させてくれたと感じています。企業が求めていることをしっかり把握し、企画を考案しプレゼンテーションすることで実績をつくっていきました」。
地方営業で培った会社全体のニーズを把握する力、そして企画提案力をもっと大きな舞台で活かしたい。そんな思いが膨らみ、自動車メーカーを担当する企業営業部門への異動を希望。希望部署への異動が実現した。
ロンドン・シティのロイズビルを訪問
憧れの地でグローバル領域への挑戦を決意
企業営業部門の自動車開発第一部では、大手自動車メーカーを担当。一気にステージが広がる。 「企業の管財に関わる保険や従業員の福利厚生に関わる職域制度の保険など、多彩な保険を取り扱いました。大手自動車メーカーは下請け企業や取引先がたくさんあるので、中小企業開拓にも力を入れました。企業全体を俯瞰して、さまざまなリスクに対する各種提案を実践することに非常にやりがいを感じました。また、お客さまがグローバル企業であるがゆえに、海外から外国人のお客さまや保険ブローカーが来日するケースも多く、語学力を活かして交渉を担当することもありました」。
そんな経験がグローバルフィールドへの関心を呼び覚ますことになった。やがて、大きなターニングポイントが訪れる。
「海外出張でロンドンに行ったときに、初めてロンドン・シティのロイズビルを訪問したのです。ロイズビルは、世界最大の保険組織ロイズ保険組合の本社ビルです。保険のメッカと言われ、私はずっとこの地に強い憧れを抱いていました。その荘厳な佇まいの内部には、ROOMと呼ばれる吹き抜けの大部屋があります。傍らには、タイタニック号の悲劇の際に打ち鳴らされた『ロイズの鐘』。吹き抜けの中段に立ち、ROOMを見下ろしたとき、今まさに世界の保険マーケットの中心にいるという感慨を覚え、身震いしました」。
このとき、野田はグローバルなビジネスに身を焦がしたいという強い思いに突き動かされた。また、アンダーライターになると決意したのもこの頃である。
「アンダーライターは、それぞれの案件のリスクを的確に判断し、保険の引受判断や設計を担う。つまり保険プレーヤーの中心的存在なのです」。
こうして、キャリアの道筋がはっきりと見えてきた。
欧州におけるビジネス拡大という壮大なミッションに挑む
グローバルフィールドで活躍する目標に近づくために、野田は社内の海外短期研修に参加する。この研修も貴重な経験となった。
「海外に1ヶ月間滞在し、自分で課題設定をして研究テーマや行先、ルートを決めることができる研修です。私は、欧州のトラックメーカーの事故防止対策をテーマに選びました。トラックを輸送する手段は、自走やより大きなトラック、場合によっては貨物列車による輸送など、さまざまあります。欧州のトラックメーカーでは輸送時の事故を防ぐためにどう対策しているのか。これを調査するために多くのメーカーのホームページの問い合わせ先に片端からメールしたのです。ただ、お願いするだけでは応えてくれないと思い、日本におけるユニークな取組みを教えるので、情報をシェアしようという呼びかけにしました。すると2、3社から返信があり、実際に会うことができました」。
そんな研修での成果もあり、グローバルフィールドへの挑戦を後押しするまたとないチャンスが舞い込んできた。それは、欧州駐在員としてパリに駐在し、欧州の自動車メーカーとのビジネスを拡大するという壮大なミッションだった。
「当時の上司から、とにかく欧州でのビジネスを拡大してきて欲しいと言われました。当時パリには支店もなく、自席をつくるところから始めなければなりませんでした。たった一人からの挑戦でしたが、グローバルフィールドの端緒につくことができ、やる気が満ちあふれていました」。
それから、欧州の外資系自動車メーカーへの飛び込み営業が始まった。
世界の名だたる保険会社とのコンペに勝利
欧州におけるビジネス拡大の契機に
野田の戦略は、『ジャパニーズ・クオリティ』をセールスポイントにすること。「日本で普通に行っているサービスを海外でやると驚かれるのです」と野田。過去の経験から日本のサービス品質が、欧州で高い評価を得ることができることを熟知していた。そして、チャンスは赴任早々に訪れた。
「欧州のとあるグローバルメーカーのコンペに参加することが決まったのです。競合相手は、世界の名だたる保険会社が10社。ここでも、綿密な準備のうえ、日本人のハートフルなサービスを訴求しました。西洋人だらけのコンペにはお客さまや保険ブローカーを含めアジア人は自分だけ。世界の名だたるグローバルプレイヤー達と伍して戦い、そして自社を差別化するには「日本人であること、日本の企業であること」を武器にすることが一番だと考えたのです。幸いにしてそのグローバルメーカーは、日本人のサービスを体験したことがあり、そのクオリティを認識していました。加えて、彼らがアジア市場の開拓に力をいれていたこともあり、日本企業である当社がいかにアジア市場に精通し、その橋渡しが可能だということをアピールしました」。
こうして、見事プレゼンに勝利することができた。日本の損害保険会社が世界の名だたる強豪のなかから選ばれたのだ。その後、野田はパリを拠点にイギリス、ドイツ、北欧とビジネスを拡大し、ミッションを全うした。そして、5年にわたる海外赴任を終え、2018年コマーシャルビジネス業務部にアンダーライターとして異動。遂に念願であったアンダーライターになる夢が叶った瞬間であった。
その後、現在の部署に部内異動し、保険プログラムの引受、設計、企業営業店が担当するお客さま支援業務の総括として辣腕を振るっている。
「全世界を対象にした保険プログラムの引受だけでなく、グローバル企業への保険提案やアドバイスなど、業務は多岐にわたります。最近では、グローバル人材の育成にも尽力したいと考えています。世界で伍して戦える日本人を社内に増やし、世界でさらに活躍できる会社になるべく、自分の経験と知見を還元していきたいと思います」。
グローバルフィールドへの挑戦は、終わることがない。
ある1日の時間割
海外出張時は、コロナ禍前からマスク着用は必須!体調管理第一。
宿泊先で日本および世界各地からのメールチェック。
提携先パートナーを訪問しプレゼン実施。もちろん英語です。
提携先パートナーとのランチも大事な関係作り。
社内打ち合わせの後、日本および世界各地からのメールチェック。
各種案件打ち合わせ、再保険会社面談・打ち合わせ。
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