[ interview ]
変化する環境のなかでも
変化する環境のなかでも
変わらずに持ちつづけたい想い
- 藤井 (技術アジャスター)
- 2006年入社
- 保険金サービス部門(自動車)

- Profile
- 大学では機械工学を専攻し、自動車の衝突実験を研究。新卒でトラックメーカーに入社し、キャビンの開発等を手がけたのち、損保ジャパンに転職。現在は、事故車両の損害調査を担当している。
Chapter 01事故で困っている人を助けたい
- もともと交通事故鑑定人という仕事に興味があったそうですね。
- 子どものころからF1が大好きでよくテレビで観ていたのですが、94年にアイルトン・セナという有名なドライバーがレース中に事故で亡くなってしまう出来事がありました。いまだにこの事故原因は完全に解明されていないのですが、中学生ながらにこの事故に強い関心を抱きました。そうした経緯もあり、自動車業界に興味があったため、大学では機械工学を専攻しました。
また、大学在籍中に友人が交通事故で命を落としてしまうつらい出来事も経験しました。当時、双方の主張に違いがあったのですが、友人は亡くなってしまったためそれを証明することもできず。そういった経験から「事故で困っている人を助けたい」という想いが芽生えはじめ、交通事故鑑定人を志すようになりました。 - そういった原体験があったのですね。そこからトラックメーカーに入社されたのは?
- 事故原因を調査するにあたっては、車の構造を知らないといけないと思ったんです。なので、まずはメーカーに入社してそれを学ぼうと考えました。実際に、トラックのキャビンにおける強度や耐久性の実験計画や実験結果のフィードバックなど開発部分を担当し、自動車の構造に関する基礎を身につけることができました。
- そういった経緯を経て、いざ損保ジャパンに入社をされるわけですね。
- そうですね。なので歩んできた道のりとしては計画通りでした。もともと私自身、当社の保険に加入していたこともあり、ご縁をいただいた際にはすぐに決めさせていただきました。

Chapter 02保険会社としての、重要な役割を担う
- 実際には、どのような仕事を行っているのですか?
- 現在は、画像伝送可能な自動車工場や写真調査で対応可能な損害に関する調査を担当しています。具体的には、自動車の修理工場から損傷部分の写真が送られてくるところから私の業務がスタートします。報告されている事故状況と自動車の損傷との整合性を確認し、問題がなければ修正内容を決定し、修理費用や補償額を算定していきます。たとえばですが、ドア部分が損傷してしまった場合にはドアを交換するのか、あるいは板金塗装で対応するのか、ドア前後のパネルには塗装の必要があるのかなど、細かい部分も含めて修正内容やその費用を工場と協議していきます。修理完了後には、工場から何をどう修理したのかを写真で送ってもらい、修理金額の妥当性を測りながら、最終的な補償額を決めるところまでが私の仕事になります。
- さまざまな事故ケースがあると思うので、かなり専門性が求められそうですね。
- なかには、契約者様の主張と損傷状況が違うケースもあるんですよね。なので、「どのような状況だとこういった傷の入り方をする」みたいなケーススタディはかなり勉強をしました。他にも鉄の性質や板金塗装の手順、法律など、さまざまな知識を身につけなければいけませんでしたね。一方、前職で車の構造についてはある程度学んでいたので、そのあたりは今も活かせていると思います。保険会社としては、補償額を決める重要な役割を担っていますので、正確な損害調査を行い、適切な保険金支払いが行えるよう努めています。
- コミュニケーション力もかなり養えたとのことですが。
- 前職では開発を担当していたので、コミュニケーションが社内で完結することが多かったのですが、当社では本当にいろんな方とお話する機会がありますので、そこはかなり身についたと思います。そもそも事故に見舞われてしまって、さまざまな感情を持っていらっしゃいますし、人それぞれ性格も異なりますから、同じようなことを言うにしても相手方の反応や話し方を見ながら言い回しを変えたり、話す順番を変えたりと、工夫しながら都度対応してきました。

Chapter 03変わっていく環境のなかでも、
お客さまの支えに
- 「事故で困っている人を助けたい」という想いでこの仕事をされているとのことですが、あらためて、この仕事のやりがいをどのように感じていますか?
- やはり事故に見舞われてしまった方ってケースはさまざまですが、マイナスの状態なんですよね。加えて、それぞれの生活や仕事、事情があったりするので事故対応ばかりをしているわけにもいかないですし。なので、私たちがそこに関与することによって、少しでも負担を軽減できたり、助けになれればいいなという想いで仕事をしています。マイナスをプラスにはできないですが、せめてゼロの状態にしてあげたい。常にそんな想いで仕事をしていますし、無事に解決し、お客さまが安心している姿や言葉を聞くと、よかったなと思いますね。
- 当初の想いが実現できているわけですね。最後に、今後についてはいかがでしょうか?
- 自動車は年々進化し続けているので、プロフェッショナルという意味では終わりがない仕事だと感じています。たとえば昔はバンパーの交換って非常にシンプルなものだったんですが、今は高性能なセンサーやカメラが設置されていたりとか、今後自動運転技術が発達してくると、サイバー系のリスクや新しい事故がどんどん出てくると思うんですよね。自然災害なども近年増えてきているので、これまでに経験したことのない事案がまだまだ出てくるんだと思います。そういった意味では、常に先を見据えながら、自分自身の知恵や技術、経験をコツコツ積み上げていくことが大切なのかなと思っています。同時に、いつになっても「この仕事を志したときの想い」を持ちつづけていたいなとも思っています。
