2020年10月にスタートしたオンライン企業内大学「損保ジャパン大学」。withコロナの環境下でも、全社員が組織の枠を超えてオンラインで学べる仕組みや日常業務では習得が難しい分野の学びを提供する新しいプラットフォームだ。その設立の背景には、どのような思いがあったのだろう。プロジェクトのリーダーとして6人のメンバーをまとめる鷲本がその経緯を話す。
「当社でも階層別研修や部門別研修は実施していましたが、全国の社員が今より一歩でも前に進み、主体的に学ぶことをもっと推進していくためには、会社として大きな仕組みが必要ではないかと考えており、社内で企業内大学を立ち上げることにしました」。
人事部人材開発グループ 鷲本
鷲本が指摘するように能動的に学ぶ姿勢こそ、成長の源泉である。それは、損保ジャパンが人材育成に関する基本的な考え方として大切にしていることでもある。主力メンバーの内田が話をつなぐ。
「当社では、2019年度から人材育成を経営の中心に据えて、全国2万4000人の社員とともに一丸となって時代にマッチした人材育成のあり方を追求してきました。従来型の集合型研修では、参加人数も限られており、時間や場所の制約もあります。また、知識をインプットすることが中心で、アウトプットの機会が少ないため、学びが定着しづらいことも課題でした。こうした課題を払拭する新たな学びのプラットフォームをつくろう。社員一人ひとりが自ら学び行動し、成長につなげ、会社の未来を担っていく。そんな構想を胸に損保ジャパン大学の設立に至りました」。
そして、設立の思いや課題をベースにコンセプトが定まっていく。
人事部人材開発グループ 内田
「まず、オンラインを活用すること。オンラインにすることで、誰でもどこからでも受講可能となり、学びの対象は全国2万4000人の全社員に広がります。さらに、ライブ配信された講義をアーカイブ配信することで、リアルタイムで受講ができない社員も好きな時間にいつでも学べるようになります。こうして、参加人数、時間、場所の制約を解消しました。そして、自ら学びたくなるような『わくわく感』を醸成すること。人から強制されても学びは定着しません。自然と能動的になれる魅力的なコンテンツや仕組みづくりに注力しました」と話すのは、主力メンバーの野中。こうして、新たな学びのプラットフォーム構築というかつてない挑戦がスタートした。