挑戦者たち
0から1を生み出し、
社会に新たな価値を

情報通信産業部

2004年入社

齋藤 勇次

#9

これまでの経歴

2004年
入社。広島自動車営業部第一課配属
2009年
ドリームチケットを獲得。企業営業第二部第三課に異動
2013年
自動車業務部商品企画グループに異動
2016年
SOMPO Global Universityでカタールに派遣
2017年
デジタル戦略部に異動
2019年
Mysurance(株)を立ち上げ、出向
2020年
情報通信産業部へ異動

お客さまのためにという想いで日々、奮闘
ドリームチケットを獲得、希望する部署への異動を叶えた

ドライバーの運転状況を見える化し、走行データの分析結果をフィードバックすることで、安全運転をサポートする「スマイリングロード」。アプリ上から好きなタイミングで気軽に保険に加入できる「LINEほけん」。いずれも、これまでの保険にはない、新たな価値を提供するものとして大きな注目を浴びている。これらの開発を手がけたのが齋藤勇次だ。
イノベーティブな仕事を次々と手がける齋藤の就職活動はいつも直球ストレート勝負だった。
「就職活動では、30分程度の面接を数回やっただけで自分に合った会社を探すのは難しいと思ったのです。そこで、自分の思っていることをすべて話して、それでも評価してくれる会社で働きたいと。もっとも評価してくれたのが損保ジャパンだった」と、当時を振り返る齋藤。最初の配属先は、広島自動車営業部第一課。広島県内のディーラー営業だった。
「たくさんの先輩方に鍛えられ、社会人としての基礎を学びました。今でも忘れませんが、ある上司からは遠慮と配慮は別だということを教わりました。性格上、遠慮せずに言ってしまう。しかし、配慮することはできるだろうと。今考えるとあたり前のことなのですが、相手のことを考えて配慮することを習得しました」。
目の前のお客さまに対して、もっと価値を提供していきたい、Win-Winの 関係を作りたいという想いを持ち、日々、奮闘。その結果、仕事への取組みや実績が評価され、自分の希望する部署に異動することができるドリームチケットを獲得。次は異なる分野の営業をやりたいと思い、企業営業を希望し、大手商社を担当した。今まで見てきた世界とは違い、戸惑いもあったが、さらなる成長につながった。その後、自動車保険の営業推進・商品開発を担う部署へ異動。そして、3年後の2013年に大きな転機が訪れる。

世の中から1件でも交通死亡事故を減らしたい
その思いが「スマイリングロード」の出発点

「当時注目され始めていたビッグデータ・テレマティクス関連で新しいサービスをつくるという壮大なミッションを与えられたのです」。
テレマティクスとは、移動車両に通信機能を備えた機器を搭載し、さまざまな情報を送受信するシステム。取得したビッグデータをもとに新しいサービスを創出する。現在ではあたり前だが、当時は雲をつかむようなものだった。
「前例がなかったですからね。当時から『安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをお届けする』というのが当社のミッションでした。自動車とビッグデータを組み合わせて安心・安全をつくるとなると、やはり事故防止だろうと。事故防止につながるサービスをつくり、世の中から1件でも交通死亡事故を減らしたい。それが出発点でした」。
わずか3人の精鋭による船出だった。ビジョンは明確になったものの、まだ遥か遠くで明滅している小さな灯にすぎない。目的地まで進むための羅針盤もなく、航路も定かではない中、齋藤が行ったことはひたすらお客さまの声に耳を傾けることだった。
「通常は調査会社に頼むのですが、全国津々浦々まで自らの足で訪れ、ひたすら傾聴を重ねました。そうすることで、お客さまの話からさまざまな気づきを得ることができました。ドライバーの走行データを把握して、運転を管理することで事故は削減できるかもしれない。私たちのミッションは、ドライバーを管理することではなく、事故を減らすことです。この軸足がブレないよう企画を進め、走行データに基づいてドライバーを『ほめる』ことでモチベーションを上げるというコンセプトに辿り着いたのです」。
かくして齋藤たちの挑戦は「スマイリングロード」という名で結実し、2015年にリリース。実際に20%の事故軽減をもたらし、同年の日経優秀製品・サービス賞の最優秀賞に輝いた。「交通事故で大切な家族を失う人を少しでも減らすことができたのならやって良かった」と齋藤は言う。

人と保険を近づけた「LINEほけん」
インシュアテックの一つの方向性を示した

0から1をつくる齋藤の挑戦はさらに続く。経営知識の習得と多様な人材との協働経験を積むグローバル人材育成制度『SOMPO Global University』でカタールのインシュアランスカンパニーに派遣された。「30以上の企画書をつくり15部署を回ってプレゼンを繰り返す」修羅場を経験して帰国。その直後、特別チームにアサインされたのだ。
「今度のミッションは、デジタルディスラプション。これまでの保険の領域を大きく超えるものを開発すること。保険は、わかりにくいという課題があります。本来、保険はリスクをカバーし、人や社会の大きな力になれる存在なのですが、加入手続きまでの心理的なボトルネックもあります。それらを解消するために、LINEという多くの人に親しまれているプラットフォームを活用しようと。“人と保険を近づける”ことをコンセプトにプロジェクトが立ち上がりました」。
齋藤が意識したのはUI (ユーザー・インタフェイス)/UX(ユーザー・エクスペリエンス)デザイン。つまり、使いやすいデザインを突き詰めてサービスを通じてユーザーに新しい体験を提供すること。まさに、人と保険を近づけるためにもっとも大切となる要素だ。齋藤の尽力で「圧倒的にシンプルで簡単な操作性。最短60秒で保険に加入できて支払いはLINE Payで完了。保険料支払いの煩わしさをクリアし、保険をプレゼントすることもできる」という新しい体験と価値を創出。インシュアテックの一つの方向性を示す商品・サービスとして多くの注目を集めることになった。

チャレンジに関して寛容な文化
社員一人ひとりの適性を見てくれている

本格的な開発スタートからリリースまでわずか半年というスピードで駆け抜けたLINEほけんプロジェクト。しかし、その道中は決して平坦なものではなかった。
「世のため人のためにならない仕事は絶対にしたくない。当社も成長して、お客さまの役に立つものを作りたい。お客さまの課題を解決するために、徹底して利便性を追求する。シンプルな操作性を極限まで突き詰める。そこは絶対に譲れない。あまりにこだわりが強いので、どうしても上司とぶつかってしまう」と苦笑いを浮かべる齋藤。だが、忘れられない出来事があった。
「終始意見が違っていて、喧嘩ばかりしていた上司がいました。でも、最後のプレゼンの前夜、サンプルのモック(原寸大模型)を持ってきて齋藤の案でいくよ、これでいいかと、確認しに来てくれたのです。当日のプレゼンターは上司で、本番での気合いの入ったプレゼンはすごく感動しました」。
これまで10人以上の上司と出会ってきた。だれに対しても言いたいことを忖度なしに伝えたが、多くの方々が齋藤を信頼してくれた。
「これは当社の文化だと思いますが、社員のことをすごく見てくれている。この人はどんな適性を持ち、どの業務に向いているのか。そして、誰もがチャレンジに関して寛容です。会社が後押ししてくれます」。
0から1を生み出し、社会に新たな価値をもたらす。そうした齋藤の適性を、多くの上司が見抜いていたのだ。人とぶつかるのは、まっすぐに走っているから。しかし、走りながら見つめているのは常にお客さまであり、その先のサステナブルな社会の実現をも見据えている。保険ビジネスをアップデートする挑戦は、これからも続いていく。

ある1日の時間割

6:00
起床
8:00
出社

資料作成などその日の予定に合わせて、いろいろな準備。

09:00
チームメンバーと打ち合わせ

チームメンバーと状況の共有や新しい企画について話し合う。

12:00
昼食

会社の食堂を利用する時が多いが、近くのお店に食べに行くことも。

13:00
顧客やパートナー企業との打ち合わせ

最近はリモート会議が中心。午後は夕方までほとんど切れ目なく打ち合わせが続く。

17:00
資料作成

打ち合わせがひと段落したところで、提案書や会議などの資料作成。

19:00
退社
20:00
家族との時間

食事をしたり風呂に入ったり。家族とテレビを見たり、リラックスした時間を過ごす。

22:00
就寝

娘を寝かしつけつつ、自分も就寝。

※ 取材時点での所属部署を記載しております